S最近よく聞く犬の『遺伝子検査』。犬の遺伝子を知ってどうするの?と思いますが、実は発症の可能性が高い病気などもわかるのです。人も予防医学が話題の近頃、犬の遺伝子検査も正しく理解して、長く元気な毎日を送るために活用したいですね。
今回は、愛犬の遺伝子検査を試してみた『rinojin』が、犬の遺伝子と遺伝子検査について紐解きます。誤解されがちな『陽性』の意味と検査の正しい活かし方について知ってみましょう!
犬の遺伝子と
遺伝子検査
良く耳にするけれど、
少し理解するには
難しい遺伝。
目鼻顔立ちから、
身長、耳垢、
瞳の色や爪の形まで
遺伝の影響を受ける。
ペットショップでは、
遺伝子検査済みを謳う
店舗も増えてきた。
遺伝子検査をすることで
分かることとは?
遺伝とは?
遺伝子とは?
遺伝とは、
動物や植物において
その形や特徴を
子が親から
受け継ぐ現象のこと。
父と母から
受け継ぐ設計図が
遺伝子であり、
DNAと呼ばれる
物質に記されている。
この設計図に従って、
タンパク質が作られ
細胞が活動し、
体が作られていく。
遺伝によって
受け継がれるのは、
身体的特徴だけでなく
病気も含まれる。
遺伝子検査の目的
1治療や生活環境の指針を示す
薬剤の使用量の目安となったり、
合わない薬が分かることもある。
2発症リスクを知る
早期発見、
重症化の予防
に繋げることができる。
3変異遺伝子を残さない
繁殖に適するか不適合かを
判断する基準となり得る。
犬に限らず
純血種の動物は、
限られた地域の中で
同品種の繁殖を繰り返すことで
近親交配が進み、
変異した遺伝子が固定され、
その種の
発症しやすい遺伝性疾患
となってきた。
病気になる原因は、
遺伝的要因と環境要因
による所が大きい。
生まれつきの病気のなりやすさや
体質を理解して、
病気に罹らないよう
生活習慣を改善するために、
遺伝的検査の結果を
参考にすることができる。
遺伝子検査の方法
私の愛犬の1匹は
3歳のオスのダルメシアンで
名をジンというのだが、
ダルメシアンは
高尿酸尿症という
尿結石症のリスクが高いと言われる。
そこで、
Webで何社かを比較し
遺伝子検査を申し込んでみた。
犬種ごとに
なりやすい遺伝的疾患があるため、
調べる項目は
犬種ごとに1〜3種の疾患
に設定されている。
申し込みをしてから
数日で検査キットが届いた。
付属の綿棒で
口腔内粘膜をこすり、
申込書を記入して
一緒に返送するだけだ。
2週間ほどで、
メールで結果が送られてきた。
書面での通知は別料金だが、
だいたい全部で
5000円〜15,000円ほどだ。
遺伝子検査の
結果の捉え方
ジンの結果は…
高尿酸尿症…
アフェクテッド(=陽性)。
あぁそうか…
一瞬だけそう思った。
間違ってはいけないのは、
アフェクテッドだから、
必ずその疾患になる訳でないし、
その疾患に既になっているからと言って、
遺伝子検査が必ず陽性なわけではない。
あくまで参考に…
ということだ。
大事なのは、
その疾患になりやすい体質ならば、
その疾患を知り、
これをやってみよう、
これはやめようと
試行錯誤して、
愛犬と一緒に、
できるだけ長く元気に
楽しく過ごそうと
工夫することではないだろうか。
ジンが陽性と分かってから、
以前よりも
尿の回数や量や、
飲む水の量などに
皆が気をつけるようになった。
ジンは何も変わらない。
純粋に家族が大好きで、
よく食べてよく寝て、
よく遊ぶ。
そして何より、
周りを幸せに
笑顔にしてくれる。
遺伝子検査の
今後について
以前、
とあるペットショップに
子供たちと立ち寄った。
30〜40万円台の
トイプーが数匹と
1匹は5万円。
なぜか…
トイプーに好発する
変性性脊髄症の
遺伝子検査が
陽性だからだった。
今からペットを迎えようとする中、
病気のリスクが高いと理解して
そのトイプーを
お迎えする家庭が
どれだけあるのだろうか…
ジンのこともあり、
何とも言えない気持ちになった。
陽性だからと言って、
病気なのではない。
発症せずに
天寿を全うすることだって
できるはずだ。
ショップや里親探しで、
もし遺伝子検査が
陽性の子を見かけても、
ハンデではなく、
一つの個性や特徴として理解し、
温かく迎えてほしいと切に思う。