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動物病院の存在は、不調そうな愛犬を見るととっても頼りになります。が、同時に『もし深刻な病気だったらどうしよう…』と結果が出るまでは、とてつもなく不安にな気持ちになる場所でもあります。鼻血のように心当たりのない症状であれば尚更のコト…。
前回に続き、チワワの愛犬、パグくんの鼻血を経験した筆者『Padu』より、動物病院に到着後の経過をシェア。考えられる原因や対処法を辿りつつ、些細な情報に気持ちを揺すられる愛犬家の気持ちが共感できる内容です。
人生はじめての犬の鼻血
〜診察編〜
もし、
大事な愛犬が
鼻血をだしたら?
前回の
人生はじめての犬の鼻血 〜出血編〜
のつづき、
今回は、
鼻血を出した愛犬と
病院に到着後の
ドキドキの診察編になります。
いざ病院へ
私はいつも以上に
緊張した気持ちで
母の車で
動物病院に向かいました。
近いようで遠い
道のりでした。
もし、
ぱぐになにか
大きな病気が隠れていたら
どうしようと
不安でたまりませんでした。
どんな治療方針で
どんなふうにぱぐを
支えていけばいいのか、
胸がぎゅっと苦しくなりました。
動物病院について、
受付をして混んでいたので
車内で待つことになりました。
昨日の昼間には
いつものように
元気で甘えていたのに、
いまは元気がないなんて
つらすぎる現実。
だけど不安は伝わると思い、
いつものように接していました。
診断の行方
呼び出しのブザーが鳴り、
ドキドキが止まらない私は
診察室にはいりました。
先生に昨日あったこと、
今朝のことをそのまま伝え、
熱を測ると
39.0℃も熱があり、
あきらかに体の中で
炎症が起きている状況が
わかりました。
そのあと先生から
「実はね、
今日発送しようとしてたんだけど、
この前のフィラリアの検査の
血液検査の結果が
気になったんだよねぇ。」
と言われました。
フィラリアの検査をしたのは
ちょうど一週間前でした。
フィラリアの検査は
陰性だったけれど、
ほかの詳細の血液検査の結果は
1週間前後で自宅に届く予定
だったのです。
好中球数値
気になったといわれたのは、
好中球の数値が
1.3 しかなかったことでした。
標準の数値は
2.94〜12.67
という数値なのです。
その数値が低いということは
免疫疾患が疑われるということ。
幸い、
腫瘍や白血病の可能性は低いのでは?
と先生がおっしゃってくださったので、
とりあえず
血液検査をしてみましょうとなり、
再度血液検査を行いました。
血液検査の結果がでるまで
30分以上はかかったと思います。
待つ時間って
本当に辛いですよね。
1番怖い病気は免れたかもしれない、
でも不安でたまりませんでした。
「では、ぱぐちゃんどうぞ〜。」
と呼ばれた時の私は
心臓がバクバクしていて、
緊張していました。
血液再検査すると…
血液検査の結果は、
好中球の数値が
さらに低くなっていました。
数値は0.13。
標準の数値よりも
はるかにとっても
低いのです。
好中球が減少症すると
細菌感染などへの
抵抗力がおちてしまうのです。
なので、
もしかしたら
すこしの些細な細菌で
鼻血をだしたのではないか
と言われました。
そして
先生から説明を受けたことは
以下のことでした。
好中球減少症に
なっていること。
これの原因は
◦消費の亢進
◦分画の異常
◦免疫学的破壊
◦産生の低下
の四つの可能性がある
ということでした。
消費の亢進か
分画の異常
骨髄の中で
たくさんの細胞が造られ、
体をまもるための
白血球、
赤血球、
好中球など、
いろんな細胞たちが生産されて
体のなかをめぐっていきます。
消費の亢進は
どこか怪我や炎症を起こした時に、
一気にそこに好中球が使われ
消費されている、
消費されて生産が追いついていない
という状況に多いそうなので、
その可能性は薄いであろう
といわれました。
次の分画の異常は
産生される段階で分裂して、
成長していく細胞たちが
なにかの原因で
好中球になれない細胞があるということ、
みなさんがしっている病気だと
白血病などにあてはまるそうで、
その可能性も低いであろう
と言われました。
産生の低下か
免疫学的破壊
残る可能性は
ふたつ。
産生の低下とは
骨髄のなかで
なにかしらの原因で
うまく好中球が造られない、
ということ。
免疫学的破壊というのは、
自分の細胞が
自分を攻撃してしまうこと。
それを明確に調べるには
骨髄検査をするのが
ベストだということでした。
人間でさえも
骨髄に針を刺すのは怖いのに、
こんな小さな体に麻酔をかけて、
検査をするのは
ぱぐのためとはわかっていても、
とても苦しくなりました。
まずは
体の中で起きている炎症を
抑えてあげることを
優先しましょうとなりました。
まずはそのためには
抗生物質を投与して、
経過を見ることになりました。
免疫抑制剤と
抗生物質。
骨髄の検査をして、
どちらの可能性が高いかによって、
免疫抑制剤を使うのか
抗生物質を使っていくのか
に分かれるそうです。
ちなみに参考になればいいのですが、
私がいっている動物病院では
骨髄の検査には
8万から9万かかるそうです。
免疫学的破壊ならば、
免疫抑制剤。
好中球が造られるのが
追いついていないなら、
体を守るために
抗生物質を投与する。
どちらにしても
いまは炎症を抑えることを優先して、
2週間後にまた様子を見て、
検査の日取りを考えましょう
となりました。
手が震えた、鼻血。
言い方は悪いかもしれませんが、
薬でなんとかなるなら、
そうであってほしいと
思ってしまいました。
うまく薬と付き合っていければ、
きっと大丈夫と思いました。
約2週間の効果がある
抗生物質の注射を打って、
2週間分の抗生物質も
もらって帰路につきました。
診察も無事おわり、
注射のおかげもあるのか
ぱぐ自身も
すこし明るさが戻ったようで
一安心しました。
当初は
はじめての愛犬の鼻血に
本当に動揺が止まらず、
世界で一番大切な存在が
いなくなってしまうのではないか
という不安と恐怖が一気に押し寄せて、
手の震えがとまらなくなるほどでした。
父が言ってくれた、
ぱぐはきっといま
1番頼りにしてるんだから、
平気な顔してるんだよ!
という言葉は
私をすこし強くしてくれたので、
次の診察の2週間は
気を抜けないけれど、
頑張ろうという
気持ちになることができました。
いつか必ずきてしまう、
大切な存在との別れが
あることもわかっているはずなのに、
急にその事を感じてしまうと
いてもたってもいられない
気持ちになり、
とても悲しく辛かったです。
最後に…
今回は
急を要する事態に
ならなかったというのが、
本当に私の救いでした。
いつもそばにいてくれる存在、
当たり前に思ってしまう
事もあるけれど、
それは愛犬に限らず、
当たり前ではないという事を、
いつも大切に想っている気持ちを
もっと大切にしていきたい
と思う出来事でした。
次回は経過2週間後の
人生はじめての犬の鼻血 〜療養編〜
に続きます。